2011年7月11日月曜日

東京大学がiTunes Uで配信する、マイケル・サンデル「ハーバード白熱教室 in Japan」


先日「第15回 国際電子出版EXPO」に参加した際に知ったのですが、平成22年8月より東京大学がオープンエデュケーションの一環として「iTunes U」で教育リソースの無料公開を行っている中で、昨年東京大学の安田講堂で開催された「ハーバード白熱教室 in Japan」を全編日本語字幕で公開されています。

実際の討論では日本語と英語が混じる中、全編日本語字幕があるおかげで内容が分かりやすく、字幕を見なければリスニングの勉強にもなります。

ビデオ形式なので、全てを一括ダウンロードすると結構な容量になりますが、1章が20〜30分ずつにまとめられているので、ちょっとした空き時間にとても見やすいです。

全部で9章に分かれています
iTunes U上で公開される東京大学のコンテンツは、東京大学で開講される、学生または一般向けの講義ビデオと資料で、その中にはノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊名誉教授、世界的な建築家として著名な安藤忠雄名誉教授による講義も含まれています。

その他にも学部生向け教育プログラム「学術俯瞰講義」や、安田講堂で毎年開かれる「東京大学公開講座」など、東京大学で日々開講される優れた講義の数々をビデオで視聴することができるようです。

東京大学がiTunes UOCW(オープンコースウェア)YouTube EDUなどのサービス上で、講義などの教育リソースを公開する取り組みは、「TREEプロジェクト」という2005年7月にスタートした東京大学教育企画室におけるプロジェクトで、全学的な教育環境リデザインの取り組みが行われています。

東京大学TREEプロジェクト
TREE(Todai Redesigning Educational Environment)

TREEのミッションとして、
1.情報通信技術を活用し、「東京大学の教育の改善」に全学体制で取り組む。
2.情報通信技術を活用した教育環境について最新の研究成果、他大学の動向を把握する。
3.世界のリーディングユニバーシティとして「未来の教育環境のあり方」を社会に広く提案する。
の3点が挙げられ、全学推進体制で取り組まれているそうです。

東京大学iTunes Uでは、開設から3ヶ月間で累計100万ダウンロードを突破し、OCW(オープンコースウェア)のアクセス数も2倍以上になるなど、シナジー効果も生まれているそうです。

東京大学のiTunes Uページ
このように、大学の講義がiTunes上などで配信され、オープン化になっていくことで「知の公共性」がもたらされ、東京大学に在籍していなくても、ある程度の講義を聴くことができる(単位は取れませんが)ようになります。

またこのような「講義のオープン化」は、従来「教える側」が優位であった「学びと教え」のフラット化をもたらし、また、グローバル化により言語の壁を越えれば誰でもどこにいても、知識を得られる「世界的なオープンエデュケーション」の潮流が推進されます。

インターネットの普及に伴い、このような良質な知識が無料で誰にでも手に入ることで、ますます世界共通語としての英語の修得が不可欠になっている事を実感します。